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【東海地震のシナリオ】
判定会会長の溝上恵氏はその著書「徹底検証 東京直下大地震」(小学館文庫)で、"東海地震へのシナリオ" -M8級巨大地震への条件は整った- という章を設け、章の扉で、東海地震を次のように紹介しています。
『過去を遡ると、南海トラフのプレート境界を震源域とする巨大地震は周期的に起きている。また、東海・東南海沖の2地域の震源地で発生する巨大地震は、互いに間をおかず連動している。しかし、東海沖一帯は、1854年の「安政東海地震」のとき、未破壊領域として震源域とならないまま取り残され現在に至った。146年間もの長い間、断層の歪は蓄積され、すでに限界状態に達している。巨大地震は、いつ起きても不思議ではない。』いつ起きても不思議でない巨大地震、これが東海地震です。
溝上恵氏は前回の東海地震(1854年「安政東海地震」)から近い将来に起こる次の東海地震に至るシナリオを6段階に分けて解説していますが、そのシナリオの一部を抜粋あるいは簡略にして示すと次のようになります。
第1期 長期的前兆活動(1974年〜1989年)
伊豆半島沖、浜名湖付近、山梨県東部、長野県西部などの地震活動は、東海地震の震源域を遠く取り巻く、いわゆる「ドーナツ・パターン」を形成した。
第2期 中期的前兆活動T(1990年〜1996年10月)
伊豆半島の地震活動域が一歩駿河トラフよりに西進し、新島、神津島付近を中心とした銭洲海嶺北東部の地震活動が活発化した。また、御前崎の沈降速度の低下が見られるようになり、プレート間の固着状態にやや弛みが生じ始めた兆しとも考えられる。
第3期 中期的前兆活動U(1996年10月〜2000年)
東海地方のプレート境界の固着域と推定される領域を縁取り、地震が発生した。固着域のほぼ全域でまだ固着状態が保たれているものの、その周辺部では固着域の「剥がれ」が進行しつつある。これは、固着域の一部が緩やかに「滑り」出す”プレスリップ”の発生の準備段階に対応する。御前崎の沈降速度の低下はその後も継続し、その傾向はさらに目立ち始めた。
第4期 中期的前兆活動V(2000〜?)
東海地震の震源域の外縁域でM6クラスの地震が発生し始め、固着域の「剥がれ」現象が加速する一方で、静岡県を中心とした固着域では地震が減少し、静穏期が続く。同時に、御前崎の沈降速度の低下も引き続いており、1999年8月頃からはフィリッピン海プレート内の地震にも静穏期の傾向が出てきた。これは、巨大地震の前の静穏期に入ったと考えることができる。
第5期
御前崎では沈降の停滞が終わり、隆起傾向が始まる。プレート境界付近では前震活動と考えられる微小な地震活動が始まる。GPS(汎地球測位システム)によって陸プレートの動きが広範囲にわたり変化し始めたことが観測される。
第6期
GPSは第5期の変化がいよいよ加速しつつあることを確認し、体積歪計観測では三地点以上でほぼ同時にあらかじめ設定されてレベルを超える異状が表れ、地震防災対策強化地域(東海地震)判定会が急遽招集される。
判定会で東海地震が目前に迫っているという判定が下されると、その結論を気象庁長官が内閣総理大臣に対し、地震予知情報として伝える。内閣総理大臣は閣議を経て、警戒宣言を発し、東海地震の発生に備える。
(注)判定会とは、気象庁長官の諮問機関として気象庁に設置されている「地震防災対策強化地域判定会」の略称です。
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