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夕焼けは、誰でも見たことがある割に、以下の発生原理を正しく理解している人はかなり少ない複雑な現象です。
夕焼と朝焼(以下、夕焼と略)を地震の前兆ととらえる仮説がありますが、これにはかなりの無理がありそうです。夕焼という現象は観察地点周辺の局所的な条件だけで発生するものではないからです。
説明が長くなりますが、夕焼が発生するためには以下の2つの条件が必要です。
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【条件1】観測地点から西方(朝焼なら東方)はるか数十キロ(よりもっと?)にわたって、超低空の太陽光線が大気中を横ぎって長距離通過する途中、これを遮る雲が無いことで「赤い光」が生成されること。
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「赤い光」が生成されても、観測地点上空にそれを映す「スクリーン」が存在しなければ、赤い光が頭上を「素通り」してしまうため、観測地点では青空しか見えません。そこでもう一つの条件があります。
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【条件2】観測地点のはるか上空には「赤い光」を素通ししてしまわず、照らされて赤く光る粒子(水滴、氷晶、砂塵など)が存在すること。(脱線:夕焼は西の空が赤く光るはず、と勘違いされる方が少なくないですが、「スクリーン」の場所次第ですので、東西南北あらゆる方角に見えます)
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色合いを決める要因には
・光源の赤さ具合
・「スクリーン」の厚さ/薄さ具合
・背景の青空の色
の3つがあり、これらが混ざった結果が我々の目に入ってくるため、紫〜ピンク〜オレンジ〜赤といったバリエーションとなります。
発生要因から考えると、地震前兆の「何らか」に、上に述べた2つの条件を同時に生み出せる能力があるか否か、となりますが、普通に考えてみれば、それはちょっと難しそうですね。特に条件1の方が。
気象要因で発生した、見慣れない色の夕焼や鮮やかな夕焼(ついでに言えば「禍々しい形の雲」も同様ですが)を見て胸騒ぎを覚えるのは、誰しも共通する心理的な反応ですが、現実にそれが災害を予告するものか?は切り離して考えるべきです。
地震予知系の掲示板では、ほぼ常時、数多くの夕焼の報告が寄せられるのを見ていますが、夕焼と地震発生の間には関連がない、と結論づけるに充分な実績がそろそろ蓄積されてきたように思いますが、いかがでしょうか?
過去いくつかの大地震の前日に夕焼が見られた事実はあるかも知れませんが、発生メカニズムからみた因果関係にかなり無理がある上に、「ハズレ」の実績がこれだけある以上、現時点で言えることは、たまたま2つの出来事が重なったため、人々の印象に残っているだけ、というのが真相ではと思われます。
妙な心配をせずに、素直に夕焼の色を楽しみませんか!
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