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東日本大震災の発生前に、大気中のラドンガス濃度が昨年6月から半年間増加していたことが、東北大と神戸大、福島県立医大の研究で分かった。12日から静岡市で開催される日本地震学会で発表する。研究グループは「今後の地震予測に寄与する可能性がある」と期待を寄せている。
ラドンは無色無臭の気体で、地下水に溶け込んだり、大気中に拡散したりする。
このため地殻変動や火山活動に伴って、大気中や地下水中のラドン濃度が変動すると考えられている。
研究グループによると、季節により規則正しい増減傾向を示す大気中のラドンガス濃度が、平成20年ごろから数値が乱れ始め、昨年6月から12月初旬まで増加。その後急激に減少し、東日本大震災発生までの約3カ月間、通常よりやや低い濃度レベルを維持した停滞期間が続いた。阪神大震災でも同様に、地震発生の前年から、ラドン濃度に異常な増加が認められたという。
東北大の長濱裕幸教授は「大気中のラドンガス濃度の計測は、放射線測定をしている施設でも可能だ」としたうえで、「今後大気中のラドンガス濃度を計測するモニタリングネットワークができれば、大規模な地震発生地域の予測に貢献できる」としている。
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