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.東日本大震災:毎日新聞 2011年7月9日 地方版
空白330年、ひずみ蓄積 /茨城
◇「東日本」南部
茨城県を含む北関東沖で巨大地震の可能性が大きくなっているとする研究結果を、筑波大の八木勇治准教授(固体地球物理学)がまとめた。東日本大震災の際の地震動によってもプレート(岩板)にたまったひずみが解放されておらず、マグニチュード(M)8・5級の地震が想定されるとしている。【安味伸一】
◇筑波大・八木准教授が研究
東日本大震災は、太平洋プレートが日本海溝付近で北米プレートの下に滑り込み、北米プレートを跳ね上げたプレート境界地震。海底が盛り上がり、大津波を発生させた。
八木准教授が地震波などのデータを解析した結果、プレートの滑りは最大40〜50メートル、震源域は南北440キロ、東西180キロに達していた。プレートが大きく滑った領域の北部は、1896年に発生し犠牲者2万人以上と日本最悪の津波被害となった明治三陸地震の震源域と一部重なる。
一方、今回の震源域の南部には1677年の延宝房総沖地震(推定M8)の震源域がある。この地震では5〜7メートルの津波があったとされる。八木准教授はこの領域でM8級の巨大地震が約330年間も起きていないことに着目した。太平洋プレートは年8・5センチの速度で沈み込み、滑り量は約30メートルと推定。プレートのひずみに、M8・5の地震を起こすエネルギーが蓄積されていると試算した。
八木准教授は「巨大地震に周期性は当てはまらない。長期予測だけでなく直前予測も念頭に置いてデータを解析する必要がある。茨城沖での巨大地震は、東海地震よりも差し迫っている可能性がある」と指摘している。
毎日新聞 2011年7月9日 地方版
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