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公開されている情報から観る限り、イオンと地震が関係ある、と言える段階にはまだたどり着けていない、とみるべきだと思います。
長文で恐縮ですが、その理由は以下の通りです。
「地震前に大気イオンが発生するメカニズム(仮説)」が、その団体のWEBサイトに紹介されていますので、まずはここから見てみましょう。
http:スラスラwww.e-pisco.jp/r_intro/ion/intro_i1.html
ステップ1〜5(前兆段階の微細な亀裂から放出したラドンが巡り巡って異常な大気イオン濃度として測定される)は可能性としてありえるかもしれませんが「地震本番(ステップ6)で大規模な破壊が発生した後、さらに大きな異常値が測定されるはずなのに、それがない」という矛盾がこの仮説の最大の弱点です。
一方、同サイトで公開されているプレスリリース(2007/7/31)
http:スラスラwww.e-pisco.jp/npo/pr/pr070731.pdf
には、2007/16の新潟県上中越沖地震の予知成功事例(P2)と、2000年からの前兆捕捉の主な成功事例14件(P3)が公開されています。
彼らの仮説に従うならば、イオン濃度値は震央から離れるほど薄まってゆくはずですが、P2からは震央距離と濃度値と先行時間との関連が全くうかがえません。P3では「M4.7最大震度3」という軽い地震まで含めていることや、「地震前時間」について数時間前〜3ヶ月以上前という、実用的観点から言えば、対策の打ちようがない幅広さも問題といえます。
また、過去において、この高い数値を示しながら大地震が発生しなかったケースは非常に多かったですし、イオンの発生地点の絞り込みに成功したという事例もなく、このグラフに描かれるイオン発生源が地震前兆の他にあるのか否か、という観点からも未検証の状況です。
紹介したのは少し古い事例でしたが、その後のプレスリリースを見てみても、残念ながら仮説としての精度向上の様子はうかがえません。客観的に見ると「イオン濃度の上昇」と「地震」という2つの独立した別々の現象に対して、たまたま彼らの思い込むタイミングと一致した事例だけ都合良くピックアップしているかのように見えてしまう状況には変化はありません。
といった実績が物語る通り、このグラフの数値の上下を我々の防災行動の動機づけに連動させる必要はありません。
今後当面は「前兆では?」といわれる現象報告の有無にかかわらず、余震や誘発と考えられる大地震に対する備えを解くことはできない時期が続きます。むしろ肩書きやこういった情報に惑われず、日常生活に支障のない範囲で、防災意識を高いレベルで維持し続けることのほうが大切ではないでしょうか。
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